~「戦略」や「目標」がない理念は、絵空事になってしまう~

ゴールがあることで人が集まってくる

経営理念だけでは、経営計画の目標は達成できません。経営理念を現実のものとしていくには、左の図のような過程をたどる必要があります。つまり、人は「ミッション」や「ビジョン」により集まってきます。何をやるのか、将来どうなるのかということが企業の原点に必要です。もちろん、それだけでは継続して黒字企業を維持することがむずかしくなります。そのため、そこに集う人と人の間の共通の価値観、つまりバリューが必要になってきます。しかし、これだけでは烏合の衆となり、何に、どのように、どれくらいの力を割いてよいのかさえわかりません。
そこで、ミッションをいかにして実現するのか、すなわち「戦略」を考えます。マーケティング戦略、プロダクション戦略、アカウンティング戦略……と、ミッションを達成するために、その時々に必要なことを考え、戦略を立てていきます。
そして最後に、目にみえる目標である「ゴール」を示す必要があります。ここでのゴールとは、単年度の目標のことです。ここまで明確になってはじめて、経営理念が大きな影響力をもつのです。

理念なき利益追求は会社を崩壊させる

戦略とゴールがなければ、経営理念 (ミッション、ビジョン、バリュー)も絵に描いた餅になってしまいます。
しかし逆に、経営理念がなくて戦略やゴールだけだと、会社はどうなるのでしょうか。バブル期に不動産を買いあさった会社が山ほどありましたが、これはまさにゴールを目先の利益だけに設定した典型的な例です。こうした会社は、本来の自分たちのミッションを忘れ、ビジョンとバリューを見失い、メンバーの意識や考え方もバラバラになってしまいました。
戦略やゴールは、経営計画の実現のために必要となるものです。しかし、どんな状況に置かれても、戦略やゴールだけにとらわれてはいけません。経営理念なき戦略や目先の利益追求は、会社を内側から崩壊させてしまうのです。

Point目標や戦略のない経営計画は無力で、
経営理念のなき経営計画は危険である。
経営のヒント
「ミッション」と「ビジョン」の特長

かつて「京都セラミック」だった会社が今は京セラになり、セラミックだけでなく電子部品、通信機器、デジカメもつくっています。化粧品のイメージが強いカネボウも、出発点は「鐘淵紡績」でした。このようにミッションは時代や環境によって変化します。

一方ビジョンは「人を動かす」力を持っています。アメリカ合衆国のケネディ大統領は、10年以内に月に着陸し、安全に地球に帰還する「アポロ計画」を発表しました。するとNASAには世界中から優秀な科学者が集まり、本当にビジョンを実現したのです。

2012年 5月 6日

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