~先に売上目標から決めてしまう社長が多いが、それでは順番が逆だ~

利益を最初に決めてから売上へと積み上げていこう

単年度の経営計画づくりは、次期はいくらの利益を会社に残すかを決めることが出発点になります。したがって、最初に利益目標を決めるところからスタートします。
利益にはいくつか種類がありますが、会社に残るお金は税金を払った後の「当期利益」です。目標にするのは「営業利益」や「経常利益」でもいいのですが、自社の資産として繰り越すことができるのは、結局税金を差し引いた当期利益になります。
利益額を決めたら、左の図のように固定費の予想値(目標額)を出します。利益と固定費を合計すると租利が出ます。これをもとに仕入額、売上と積み上げていくのです。その結果、次期の売上目標が出てくるのです。
ところがほとんどの社長は、まず「売上目標をいくらにしようか?」から始めてしまいます。そうではなく、利益をいくらにするのか、経費はいくらかかりそうか、それなら売上はいくらになるのか、という順番で目標数値を決めていくべきです。
売上目標は、その結果として最後にみえてくるものなのです。

売上が1割増でも利益を2倍にすることができる

来期の利益を2倍にするには、売上も2倍にしなければならないような気がします。売上を2倍にするのは大変です。ところがそうしなくても利益は2倍にできるのです。
ある会社は売上が3億円、利益が2000万円だったとします(左の図参照)。この会社の社長が、来期の利益目標を4000万円と設定しました。固定費は 1億8000万円で変わりません。4000万円の利益を得るために必要な粗利は、2億2000万円です。売上に対する仕入の比率が同じであれば、この租利を得るために必要な売上は3億3000万円です。
すると売上は1割増しでも利益が2倍になることがわかります。固定費を増やす必要がなければ、手元に残るお金を大幅に増やせるのです。
必ずしも売上増にこだわらなくていいことが理解できるでしょう。

Point
会社にとって大切なのは利益を増やすこと。売上目標は最後に決めればいい。
経営のヒント
目標設定は社長のリーダーシップのみせ所

「これが何個売れるから、売上はいくら見込めるだろう」

というのが、最初に売上から考えてしまうパターンのひとつです。
しかしこれでは順番が逆です。

「これだけの利益を得る」ことを決めて、「そのために何を何個売る」という目標を定め、「どうやって売るか」という戦略を決めていくのです。
多くの社員は「そんなこといったて、できるはずがない」といいますが、そこをリードしていくのは社長です。
「できるはずがない」といわれたことを実現してきたから、人間は今日の文化を築くことができたのです。

2012年 5月 6日

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