何によって社会に貢献するか
経営理念は、次の3つの要素から成り立っています。
・ミッション……会社の基本的役割、使命
・ビジョン……将来の会社の姿や目指す方向
・バリュー……価値観や考え方
これらを明文化していない会社もたくさんあります。しかし、そういった会社が継続的に成長し続けるのはむずかしいでしょう。3要素を解説すると、ミッションは、その会社が何のために存在しているかということになります。必ずしも今やっている業務のことではなく、その業者を通じて、どのような役割を果たすのかという根源的な意味です。
次に、3年後、5年後、そして10年後に何を達成するのかという、将来におけるミッションの到達点を示すのがビジョンです。つまり、ミッションを明確にしていくと、将来のあるべき姿であるビジョンを描くことができるようになるのです。
そしてバリューとは、そこに集う社員たちの共通の価値観です。その集合が企業文化となります。
最優先すべきはバリューだ
経営理念の3要素の中でも、自分たちが目指すところを具体的に示すビジョンは、社員に最も感動を与えることができます。実際に、ビジョンを経営理念としている会社も少なくありません。
大事なのは、ビジョンを社長がことあるたびに繰り返し口にすることです。また、単にいい続けるだけでなく、言葉を文字にして社員が耳≠ニ目≠ナ理解してはじめて、ビジョンを現実化していくことが可能になるのです。
バリューは「行動に影響を与える考え方」ともいえます。社長と社員が、価値観=基本的な考え方を共有することによって、より大きな相乗効果を発揮できるのです。
ところで、ミッションとビジョンは変化していきますが、バリューは不変のものです。
そして経営理念の3要素のなかで最も重要なのが、このバリューなのです。これが企業から失われると、前述の「カオス」状態になります。
優良企業がバリューを見失った結果、消えていった例も少なくないのです。