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もっと儲かる経営計画の作り方
『経営計画』


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もっと儲かる経営計画の作り方 『経営計画』
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Part3 行動計画編

行動計画は会社、部門、個人でそれぞれつくる

 利益計画を立てても、その目標を実現できるかどうかは行動次第です。そこで行動計画が必要になります。
 行動は、会社としてすること、部門ごとにすること、そして個人がすることと、それぞれに内容が異なります。したがって行動計画も会社、部門、個人ごとにつくります。
 まず行動日標の大枠として、「何を」「どのターゲットに」「誰が」「どのように」……という「ビジョンと戦略」をつくり、大枠の数字目標(売上など)を明確にします。それを「マーケティングの方針」と「プロダクションの方針」に落とし込みます。そして、それぞれの方針を行動に移すために「戦略目標」「数字目標」「行動目標」を決めていきます。
 マーケティングは、前に説明したように集客から契約にいたるまでのすべての過程です。プロダクションは契約から生産の過程を含む顧客との関わりです。
 以上の作業を表にまとめると、左の図のようになります。これは部門の行動計画の場合です。会社全体、そして個人の場合も、基本的な構造は同じになります。

さらに詳しく⇒『【3-23】行動計画のつくり方はこうする

経営数字を示さないと社員の気持ちが離れていくことも

 「オープンブック」とは、財務藷表などの経営数字を社員に公開することで、経営手法のひとつとして知られています。
 経営計画におけるオープンブックは、会社の業績や利益計画の目標数値などを公開することを意味します。なかでも売上や利益など損益計算書に載っているような数字を公開するのは、経常計画が成功するかどうかを左右するといってもいいほど大切なことです。

 なぜ公開するといいのでしょうか。

 それは社員が会社の状況を知ることで、目標を共有するようになるからです。
 今の状況がいいのか、悪いのかもわからないのに、「ともに戦おう」と社長が口でいうだけでは、社員は戦う気になりません。
 知らないということで、疑心暗鬼を生むこともあります。「結局会社が儲かっていて、自分たちは働かされているだけじゃないか」などと考えるようになってしまうのです。「赤字になったら、経常数字を教えたくない」という社長の気持ちもわかります。しかし、社員が社長と経営理念を共有していて、「自分たちががんばらなければ」と思ってくれさえすれば、何の心配もいらないのです。だから会社の数字目標は全社員が共有し、部門の目標はそのメンバーで共有するべきなのです。
 

さらに詳しく⇒『【3-24】「オープンブック」で目標の共有を

「そこそこの社員」でもいい

 会社経営には、経営理念に共感してくれる社員が必要です。そういう社員こそが「技術力のある人」よりも、会社にとってより大きな力となるのです。そもそも中小企業で「非常に優秀な人」を採用しようとしたら、大きなリスクが伴います。年収2000万円で人を連れてきても、給料分以上に働いてくれればいいのですが、見込み違いで「はずれ」のこともあるからです。
 年商3億円の会社には2000万円のリスクはとれません。だから中小企業は「そこそこの人」しか集められないのです。実際に、今は求人難というより人材難の時代です。そこそこの人を集めるのも大変です。
 そして、実際に成果を出すのは、価値観を共有できる仲間と一緒に仕事をするときで、気の合わない人と一緒ではダメなのです。
 気の合うというのは、ここでは仕事の目標を共有できることです。その相乗効果で、社員は能力以上の力を発揮してくれるのです。

さらに詳しく⇒『【3-25】全員参加の経営計画を進めよう

もち運びしやすいつくりにして常にもち歩こう

 経営計画には「利益計画」と「行動計画」の2種類があります。このうち行動計画は日々の業務活動に直接反映させるものなので、常にもち歩くべきです。
 そもそも経営計画自体、つくって終わりというものではありません。机の中に放り込んだままにせずに、鞄の中にも手軽に入れられるようにするにはどうすればいいのか。そこが知恵の出しどころです。
 そこで、行動計画をスケジュール表と一緒にA5サイズ (見開きA4サイズ) のバインダーにとじて全社員に配ろうというのが、この本での提案です。
 いわば「携帯経営計画」です。弊社ではこれを「セルフマネジメントノート」と呼んで実際に活用しています。
 スケジュール表は、毎日みたり記入したりするもので、社外にももち歩くものです。したがって「いつもみるように」といわれなくても、自然と社員が行動計画をもち歩き、目に入るようになるのです。

さらに詳しく⇒『【3-26】携帯できる経営計画をつくろう

社員名簿や年間行事カレンダーなどもー冊にまとめよう

 弊社のものを参考にしながら、セルフマネジメントノートの中身をみてみましょう。
 バインダーはA5サイズの6穴で、クリヤーファイルや名刺ファイルつき。これ一冊に仕事に必要な情報をコンパクトにまとめておくことができます。とじ込み用紙は、社長や幹部も含めた全社員の共通ページと、個人がそれぞれ自由に使うページがあります。共通ページ全体が、スケジュール表も含めた行動計画となっています。
 共通ページのパート1は社員一覧表から始まります。100人未満の会社ならべージもとらないし、メンバーが一覧できて便利です。ここには氏名、所属部署、入社年月日と勤続年数が書いてあります。誕生日(月日だけ)も入れておくと、その日に「誕生日おめでとう!」と声をかけることができます。
 続いては、組織図と、会社の年間行事カレンダーです。祝祭日や休暇だけでなく、賞与が出る日や研修予定日もわかります。

 


さらに詳しく⇒『【3-27】一冊にすべての情報を集める

会社の基本的な考え方を徹底して理解させる

 セルフマネジメントノートの共通ページのパート2には、「今期の方針」および「経営理念」という全社員が知っておくべき会社の基本的な考え方を掲載しています。
 「今期の方針」は、一般的にいえぼ経営計画のうち行動計画、または行動日標にあたるものです。「経営理念」はミッション、ビジョン、バリューです。それぞれの会社にはそれぞれの行動計画や行動目標、経営理念があるので、それらを載せればいいでしょう。
 ポイントは「行動の背景となる会社の基本的な考え方」を示すことです。形式にこだわる必要はありません。
 弊社では「100のフィロソフィー」に会社の基本的な考え方をまとめています。その見出しには「挨拶」「会社の成長」「価値観の共有」「サラリーマンはいらない」「上司と対等な立場でいる」「チームワーク」「プライド」「リーダーシップとは」「私の会社」などがあります。なお、その内容の一部を左の図に載せておきました。

さらに詳しく⇒『【3-28】社長の考えを社員に浸透させる

「行動計画」のつくり方を掲載

 パート3には、会社のルールが載っています。会議の進行のルール、畜類のルールといった具体的な場面での社員のあるべき行動を示しています。「会社のルールブック」と考えればいいでしょう。
 当社の場合は「経営計画のつくり方」をここに載せています。社員一人ひとりが行動計画をつくるためのルールと手順を次のように説明しています。

(1)「明確化する」「向上させる」「目指す」などのアバウトな言葉を使わない
(2)何を、どのように、いつまでに、どのくらいやるのか、その方法を書く
(3)自分が上司ならどんな質問をするかを常に考えて書く
(4)目標は具体的に書き、他部門の人がみてもわかるように必ず数字を入れる

 また「やってはいけないこと」として「金品の授受の禁止」「顧客情報漏洩禁止」「会社情報漏洩禁止」「顧客誘引の禁止」「消費者金融への出入り禁止」「社員間での贈答の禁止」などを掲げています。その会社のルールを載せていけばいいのです。

さらに詳しく⇒『【3-29】会社のルールは常に確認を

優先課題を記入して1日の終わりにチェックする

 行動計画を実現するかどうかは、実際の行動にかかっています。そして、スケジュール表は、行動を自分で管理するためのものです。
 社内情報ネットワークのなかに、社員用のスケジュール表をつくっている会社もありますが、これはアナログの方が使いやすいようです。
 週間スケジュール表の基本的な使い方は、左の図にあるとおりです。この使い方も「会社のルール」ですから、前述のパート3に明記しておくといいでしょう。
 スケジュール表の右側は一般的なダイアリーで1週間の予定、つまり会議、研修、健康診断、展示会等々、会社や仕事に関わるイベントを書きます。
 このページは、社員が自分で好きなように活用できるように全体的に自由度が高くなっています。左の部分に、その週の社員本人にとっての優先課題(「セミナー準備」「企画書提出」など)を書くようにします。
 優先事項には順位をつけ、終わったらチェックを入れます。
「今週は訪問件数、目標○○件」などと書いておいてもいいし、普通の「ToDoリスト」や備忘録としても使えます。

さらに詳しく⇒『【3-30】行動は自分で管理する

6カ月分の修正計画をつくろう

 1年分の経営計画をつくり、それに基づいた行動がスタートしてからも、定期的な見直し作業が必要です。
 1月にスタートしたら、3月末、6月末、9月末と四半期ごとに目標と実績のずれを必ず確認します。この確認作業をする場が、経営計画の反省会になります。
 1月には1年間の経営計画ができていますが、3月末にそれまでの3カ月間の実績を踏まえて、その後6カ月間(4月〜9月)の修正計画をつくります。
 6月末になったら4月から6月分の修正計画と同期間の実績とを照らし合わせた上で、またその後6カ月間(7月〜12月)の修正計画をつくっていきます。
 9月末になると、やはり直前の3カ月分の実績を踏まえて、10月から翌年3月までの修正計画をつくります。10月以降になると、次年度の1年間の経営計画づくりがスタートします。
 この流れが左の図のスケジュール表です。修正計画が3カ月分ずつ重なっています。次の四半期分の3カ月だけでなく、その先の3カ月分まで見通しを立てることがポイントです。
 経営計画と実績の違いをみながら、このようなサイクルで見直し作業を繰り返していきましょう。

さらに詳しく⇒『【3-31】四半期決算ごとに見直しをする