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Part2 利益計画編

利益を最初に決めてから売上へと積み上げていこう

 単年度の経営計画づくりは、次期はいくらの利益を会社に残すかを決めることが出発点になります。したがって、最初に利益目標を決めるところからスタートします。

 利益にはいくつか種類がありますが、会社に残るお金は税金を払った後の「当期利益」です。目標にするのは「営業利益」や「経常利益」でもいいのですが、自社の資産として繰り越すことができるのは、結局税金を差し引いた当期利益になります。

 利益額を決めたら、左の図のように固定費の予想値(目標額)を出します。利益と固定費を合計すると租利が出ます。これをもとに仕入額、売上と積み上げていくのです。その結果、次期の売上目標が出てくるのです。

 ところがほとんどの社長は、まず「売上目標をいくらにしようか?」から始めてしまいます。そうではなく、利益をいくらにするのか、経費はいくらかかりそうか、それなら売上はいくらになるのか、という順番で目標数値を決めていくべきです。

 売上目標は、その結果として最後にみえてくるものなのです。

さらに詳しく⇒『【2-17】目標数値は「利益」から決める

会社に利益を残すのは得策か?

 自分の役員給与を抑えて会社にお金を残すのか、自分の役員給与を上げて個人にお金を残すのかを考えてみましょう。会社に残した利益も個人の資産も、中小企業の場合は同じようなものです。なぜなら、銀行などから借入する場合、必ず銀行は個人保証を求めてくるからです。つまり、会社にお金がなくなれば、個人で手当てしなければならないのです。

 ところで、利益というのは儚いものです。わかりやすく説明するために例をあげると、仮に利益の半分に税金が課せられるとします。毎年2000万円ずつの利益を出しても会社に残るのはその半分の1000万円で、5年間で5000万円のキャッシュがたまります。

 ところが6年目に5000万円の赤字が出てしまいました。5年間かけてためてきた5000万円がまるごと、その期でなくなってしまいます。

さらに詳しく⇒『【2-18】利益計画は役員給与も念頭に

固定費と変動費を分けて考える

 利益計画で、利益を決めてから売上へと数字を積み上げていく手順を詳しく説明します。まず会社に利益をいくら残すかを社長が決めます。判断基準は前期までの決算数字のほか、いつまでにどんな会社にしたいかというピジョン、投入する商品、販売戦略などです。

 営業外損益が少なければ、経常利益と営業利益のどちらをみてもほぼ同じです。ただし、金利収入、借入金返済やリース科などがあれば、その予測をします。次に費用を予測します。費用は売上高に伴って変化する変動費と、売上が変動しても変わらない固定費に分かれます。まず先に固定費の予想から行います。

 固定費の中で多くを占めるのは人件費なので、これを最初に決めます。過去の人件費をもとにして来期の人件費を予想しますが、特に採用数や退職者が増減する予定がなければ、人件費はそう大きく変わらないはずです。なお人件費には、役員給与が含まれています。前の項で述べたような会社の利益と社長の給与の調整をするときは、社員の人件費と社長の給与を分けて数字を出す必要があります。

さらに詳しく⇒『【2-19】利益計画のシミュレーションを

過去の実績をみながら利益計画の数字をつくる

 利益計画のシミュレーションをしたら、1年間の利益、固定費、変動費、売上などの目標数値をもとに複数の帳票をつくります。商品別、部門別の月別の計画表や年計表などいくつものパターンがありますが、ここではその代表的なものをあげておきます。
 また前期の10倍の売上とか、計画段階で減益になる数字を想定することは、通常はまず考えられません。
 利益計画づくりでは、過去の数字を必ず参照するので、その際に活用する書類も用意します。
 まずは「経営戦略方針総括表(売上・利益目標総括表)」について説明します。
 左の図の見本のように、売上高、各種経費、利益(損失)について、前期の数字と比較し、来期以降の利益計画の数値へ落とし込んだもの管理(予実管理)をしていきます。
 利益計画の数字については、万単位のおおざっぱなものでもかまいません。

さらに詳しく⇒『【2-20】利益計画の数字づくりは?

借入金返済とリース料支払の計画一覧表でキャッシュを把握

 借入金返済とリース科支払いに関しては、1年間の支出予測額を出すだけでなく、月別借入金計画書を事業年度の最初につくると便利です。
 銀行ごとの借入金の明細書はあっても、それを1本化している会社はほとんどありません。しかしそれでは、どの月にどれだけのお金を返済に回さなければならないかがわかりません。
 先々の返済予定が不明だと、会社全体の資金計画を立てにくくなります。ですから経営計画の一環として、月ごとの返済額がわかる計画書をつくることが望ましいのです。
 ポイントは月ごとの借入金残高の合計、返済額の合計、支払い利息の合計の3つです。返済額の合計がわかると、その月の会社のキャッシュフローも把握しやすくなります。
 新たに借入をする計画があれば、その月から返済額の合計が増えます。逆に返済が完了した後は、資金繰りが楽になります。
 あるいは一時的に返済が重なったら、ほかで出ていくお金を抑えたり、返済が少ない時期には、ほかのことにお金を回したりなどの計画が立てられるようになります。

さらに詳しく⇒『【2-21】借入金とリースの計画表をつくる

年計表で視覚的に動きを理解する

 経営に関する数字は、その多くが決算のために出したものです。売上や諸経費は各事業年度単位で算出し、新年度が来るとまたゼロからのスタートとなります。ところが年度単位でなくて、月ごとの動きや、長期的な傾向をみたい場合もあります。たとえば売上を1年ごとでなく1カ月ごとに区切ると、短期的な増減がわかります(左の上回参照)。
 次に、その月までの直近12カ月の数字を合計して、月順に並べてみます。1月分は前年2月から今年1月までの合計、2月分は前年3月から今年2月までの合計……ということです。それを折れ線グラフにしてみます。

 このようなグラフを年計表といいます。年計表では事業年度に関係なく、過去1年間の実績がどのように推移しているかの動きがわかります。1ヵ月ごとの短期の表だと今月は増えた、その翌月は減ったと一喜一憂することになりますが、年計表では今上昇中なのか、下降中か、横ばいかという中長期的な傾向がみえてくるのです。

さらに詳しく⇒『【2-22】年計表で増減の傾向をつかむ