経営計画は年単位で進める
経営計画には3年、あるいは5年くらい先までみすえてつくる中期経営計画もあります。しかし、その場合でも、まずは単年度計画を立てるのが基本です。
わかりやすいように、1月から事業年度が始まる会社(12月決算)で話を進めます。
1月の新事業年度が始まるときに、その年の経営計画を発表します。その2カ月から3カ月前に、社長は「来期はこれを目標にするぞ」という大きな経営方針を発表します。それに基づいて社員が、部門別の目標や個人目標、あるいは具体的な戦術を立てます。経営計画は社長だけでなく、社員も含めてみんなでつくるものだからです。それから部門間で計画や目標のすり合わせをして、全社の経営計画としてまとめ上げ、1月に発表します。
新しい事業年度がスタートしたら、3月末から4月はじめに経営計画の進み具合の確認と見直しをします。この反省会や検討会は四半期ごとに行います。
このような年間スケジュールで、経営計画を進めていくようにしましょう(右の図参照)。
社員を表彰する場を作る
四半期ごとの検討会では、目標数値と実績の比戟、それから前年同期比など過去の数字と実績の比較をします。基本的にはこの2つの数字の対比で、会社全体や部門ごとの計画の進み具合を確認します。「ここまで達成できた」ということが実感できるからです。
もちろん、いつも計画どおりに進むとは限りません。そのときに悪い数字をみてしまうと、社員は「この会社にいて大丈夫なのか」と不安になってしまうかもしれません。そこで、前に述べた「ビジョン」が大切な意味をもつのです。社長自身の頭に常にあるビジョンを、反省会の場で改めて社員に訴えるのです。
もうひとつ、年問スケジュールの中で重要なのが、社員を表彰する場を多くつくることです。これは四半期の検討会ごとでも、あるいは半年ごとでもかまいません。
ささいなことに対する表彰でも、社員は充実感が得られます。そのことが大事なのです。年間スケジュールの中で、達成感や満足感を味わえる場を設けるようにしましょう。